門司港駅(福岡県北九州市) – レトロを訪ねて 第3回

こんにちは、よーぶんです。

よーぶん氏の生まれ故郷は福岡県北九州市です。
一応政令指定都市ではあるんですが、かつての栄華は遠い昔、
すっかり寂れた街になっている感は否めません(泣)
ここ最近ではそのかつての栄華を偲ぶ産業遺産等を活用して、
観光都市として再浮揚を目論んでいるようです。
上手くいくかはわかりませんが、頑張ってほしいものです。
その北九州市ですが実は5つの都市が合併して出来た街です。
城下町、その後は軍都として栄えた小倉。
大陸交易で栄えた港町、門司。
遠洋捕鯨の基地と民間資本の工場で栄えた戸畑。
日本における近代製鉄発祥の地、八幡。
そして石炭積み出し港として栄えた若松。
いずれも近代日本の産業を支えた街として大いに賑わったのですが、
その連続して繋がっていた市街地をより発展させようと、
この5市が合併したのは昭和38(1963)年のことでした。

さて今回は大陸交易で栄えた港町である門司にあるレトロな建築を御紹介します。
それがこちらの門司港駅です。

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どうです、この風格のある駅舎。
以前は駅舎そのものに庇が増設され、駅前には車寄せがあるなど、
長い歴史の中で様々な手が加わっていたのですが、
開業当初の姿への復元工事が行われ、昨年2019年にようやく終わりました。
あくまでもよーぶん氏の個人的な好みなんですが、
復元工事前の様々な改装が行われていた姿の方が、
却って歴史を感じるものだったような気もしないことはないのですが(笑)

とはいえこのネオ・ルネッサンス様式と呼ばれる、
左右対称のなんとも押し出しの強い独特の風格を持った駅舎は、
唯一無二の存在感を感じさせる傑作建築だと思います。
ちなみに国の重要文化財にも指定されている建築ですが、
これは駅舎としては初の重要文化財指定でした。
また今回の復元工事に伴って、駅内装の改修も併せて行われ貴賓室の復元や、
かつて駅構内にて営業されていた「みかど食堂」も復活しています。

ちなみにこの駅は九州島内における鉄道の起点駅になります。
今でこそ関門トンネルで陸続きになっている本州と九州ですが、
かつては下関とこの門司港駅の間で連絡船による接続が行われていました。
従って駅改札口を抜けると目の前を2本のプラットホームが彼方へ続く、
いわゆる行き止まり(頭端)式プラットホームです。
連絡船を降りた乗客が列車に急ぐ姿を思い浮かべることが出来る、
味のあるプラットホームですね。

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関門トンネルの開業、そして山陽新幹線博多開業で、
この駅の九州における鉄道の玄関口としての使命は終わりました。
しかし現在はこの駅が最も栄えた時代、
すなわち港町門司が最も華やかだった時代に建てられた、
その他のレトロな建築物とともに門司港レトロ地区の中心として、
新たなランドマーク的な役割を担っています。

復元工事前のバタ臭い雰囲気だった門司港駅や、
門司港レトロ地区として整備される以前の、
薄汚い倉庫が並んでいた、かつての姿を知る者としては、
すっかり垢抜けた現在の門司港は隔世の感がありますが(笑)、
復元されて開業当初の美しくもレトロな雰囲気を持つ門司港駅を中心に、
観光客で賑わう新たな歴史を刻んでほしいと思います。

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