こんにちは、よーぶんです。
レトロな物件を御紹介するこの企画、
前回は九州の物件を御紹介しましたが、
今回はまったく逆方向、東北岩手にある物件です。
どちらかというレトロというよりも、
それを通り越して廃墟なんですが(笑)
今回御紹介するのはかつて天然硫黄の産出で賑わった、
岩手の松尾鉱山関連施設の廃墟物件です。
松尾鉱山は昭和40年代まで操業した天然硫黄の大鉱山です。
標高900m余りの無人だった山間に開かれた鉱山であったため、
その周辺に鉱山町が形成されるに至りました。
また不便な場所ゆえに戦後は鉱山で働く労働者確保のため、
その家族も含めた福利厚生が大変手厚かったそうで、
当時としては最先端設備である水洗トイレや集中暖房完備という、
鉄筋コンクリートによる集団住宅、すなわちアパートが建設されました。
そんな最先端設備を誇ったアパートも鉱山の閉山後は無人となり、
荒れ果てたまま放置されて廃墟と化してしまいました。
その廃墟アパート群がこちらです。
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もうね、ここの醸し出す空気感が堪らない場所です。
まさに忘れ去られた場所、時代に捨てられた場所という、
なんとも言えない絶望感のようなものが、
ここの空気を支配している感じが伝わってきます。
かつては病院や映画館、そして催事場まであったという、
最先端の近代都市は”雲上の楽園”とまで形容されたそうです。
しかし今はその栄華を放置されて廃墟となった、
鉄筋コンクリート製のアパートだけが物語る”絶望の大地”です。
ちなみに周辺は硫黄精錬の排煙による鉱害の影響もあって、
強酸性の土壌となっているらしく高い樹木が育っていません。
従って現在も人の居住はこの周辺にはなく、
よーぶん氏が訪れた当時は携帯の電波も飛んでいませんでした。
半端ない見捨てられた感に溢れています(笑)
場所は下記地図を参照下さい。
基本的にクルマでしかアクセス出来ない場所です。
東北自動車道の松尾八幡平ICを下りて県道45号線経由で、
八幡平アスピーテライン(県道23号線)を八幡平方面に登っていく途中で、
左折していくとこの廃墟群を見ることが出来ます。
ちなみに左折した道をさらに進むと、
この松尾鉱山の廃坑から湧出する強酸性の鉱毒水を、
中和処理する排水中和処理施設があり現在も稼働しています。
こういったことも知っておきたい事実ですね。
なおこの廃墟アパート群のある敷地は私有地だそうです。
また放置されてかなりの時間が経っているので崩壊等の危険性も否めません。
廃墟アパートに立ち入ると不法侵入となりますし、そもそも大変危険です。
決して廃墟アパート群に立ち入らないようにしてください。
道路から眺めるだけでもその異様な存在感は伝わってきますので。
かつて東北地方は天然資源に乏しい日本列島においては珍しく、
古くから金や銀を始めとして多くの鉱産資源が産出された地域です。
その多くは資源の枯渇や高い産出コストが理由で閉山しています。
従ってそういった廃鉱となっても残された施設等を、
今後も紹介していきたいなと思っています。
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