望遠レンズ – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第8回

こんにちは、よーぶんです。

さてこのカメラ講座も8回目を迎えました。
前回は広角レンズについてお話ししました(詳しくはこちら)が、
今回は望遠レンズについてお話ししようと思います。

1. 望遠レンズの特性
どれくらいの焦点距離から望遠レンズと呼ぶかというと、
やっぱりこれも定義は曖昧なんですが、
あくまでもよーぶん氏の個人的見解としては70mmを超えると望遠の範疇だと思います、
また200mmを超えると超望遠という範疇だろうと考えます。
大三元や小三元の望遠ズームレンズは大抵が70mmから200mmであるので、
このあたりが一般的な望遠という解釈でいいだろうと思います。

さて望遠レンズは画角が狭いレンズです。
写せる範囲が狭いため、ひとつひとつの被写体が大きく写せるわけです。
この点が望遠レンズを使う際に意識するべきところです。
そしてこの点がその他の特性にも大きく影響してきます。
前回の広角レンズとは逆の話になってくるのですが、
望遠レンズは画角が狭いためにパースが少なくなります。
人物を撮る際なんかはパース、歪みが少ないのは良いことなんですが、
今度は時に立体感に欠ける印象を受けてしまうことがあります。
これは焦点距離が大きくなればなるほど顕著になります。
この現象を圧縮効果と呼び、風景写真なんかでは効果的に使うことも可能ですが、
人物撮影の際には特に顔の立体感がなくなり、のっぺりとした印象になりがちです。

それゆえに人物撮影、ポートレート撮影においては、
85mm近辺の中望遠レンズが向いているといわれる所以となります。
これは85mm近辺が歪みが目立たず、また立体感を損なわず、
また被写体との距離をコミュニケーション取れる程度に保てるからです。
ちなみにこのポートレート撮影に向いているのは、
だいたい85mmから135mm程度までのようですね。

一方風景写真においては奥行のある写真を撮る際に、
遠くの被写体が実感よりも近く、また大きく見えるように感じます。

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このプラットホームは実感としてはもう少し長く感じるのですが、
奥がぎゅっと圧縮されてきてるような印象です。
もうひとつサンプルを。

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手前の河津桜のある岸に対して、
反対側の岸にある茶色の枯草は実際はもっと遠くにある印象なんです。
その後ろにボケてる信号もしかり、この感覚が圧縮効果と呼ばれるものです。
上の2枚ぐらいの感じなら奥行感がなくなることもないのですが、
場合によっては立体感が失われてしまうケースもあります。
これは特に絞り込んだ時が要注意です。
上の2枚は開放F4で撮っているので背景がボケています。
それゆえに主題である大時計と河津桜が浮き上がることで立体感が出ています。
それぞれの方の好みなのですが、ボカすのは嫌いだという方は、
おのずと絞り込むことになると思いますが、
その場合構図によってはその圧縮効果故に立体感のない写真になってしまう可能性があります。
特に1枚目のプラットホームの写真は隅まで解像させると、
奥行が感じられないのっぺりとした、何が撮りたかったの?と、
言われる写真になりやすい構図です。

どういうことかというと画角の狭さゆえにすべてを解像させてしまうと、
写りこんだすべてが主張しだして、強調したい主題が埋もれてしまうのです。
従ってこういう場合は構図を捻る必要があります。
例えば1枚目のプラットホームの写真だと、少し左右どちらかに寄って、
視覚的に奥行を感じられる構図にして絞り込めばいいのです。
もしくはよーぶん氏の撮ったようにボケを活かすか、その2択です。

ボケの話をしましたが、
望遠レンズはその被写界深度の浅さからボケやすいレンズです。
詳しくは被写界深度を解説した記事を御覧下さい。
従って立体感を表現するならボケを利用するのが手っ取り早いと思います。
しかしレンズによってはびっくりするくらいに被写界深度が浅いレンズもあるので、
そこは手持ちのレンズの性能をしっかり把握しておくといいでしょう。

また望遠レンズはその画角の狭さのために、
開放でも少し暗く、シャッタースピードが長めになりやすい傾向にあります。
そしてレンズが傾向として大きく重くなりがちです。
このため手振れしやすいレンズなので注意しましょう。

2. まとめ
望遠レンズを使う上で重要になってくるのが、
構図を整理して主題をはっきりさせるということです。
画角の狭さゆえにその中になんでも撮り込もうとすると、
主題がわかりにくくなってしまうケースがあります。
なので少し角度をつけてみるとかボケを活かすという工夫が肝要です。
そして最後に望遠レンズで描写力のあるレンズは、
たいていが無慈悲に大きく重いレンズばかりなので、
そういうレンズを使いたい方はしっかり筋トレしましょう(笑)

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1. レンズの焦点距離 – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第1回
2. 単焦点レンズとズームレンズ – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第2回
3. レンズの絞り – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第3回
4. シャッタースピード – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第4回
5. ISO感度 – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第5回
6. 被写界深度 – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第6回
7. 広角レンズ – よーぶん氏のゆる~いカメラ基礎講座 第7回

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